天然香料の作り方とは?香料メーカーで働く薬剤師が解説

天然香料の作り方とは?香料メーカーで働く薬剤師が解説香料
香料

ものに香りを付ける添加物、香料。」

いい香りを付ける物質、香料。その中でも天然由来の香料となればいい香りもするし身体に悪い影響もない……そんなイメージの天然香料

でも天然香料ってどのようなものなんでしょうか?そしてどうやって作られているんでしょうか?

  • 香料の分類とは?
  • 天然香料はどうやって作られているの?
モーリー
モーリー

天然香料の作り方について解説していきます!

香料ってどんな分類があるの?

香料の作り方の前に、話を分かりやすくするために香料の分類について紹介します。ここで紹介する分類は、どうやってつくられているかによって3つに分けた分類です。

天然香料

まず1つ目は天然香料です。天然に存在するものから直接とってきた香料のことですね。

例えば、レモンなどの果物やローズなどの、ムスクなどの動物が分泌したものなどから抽出された香料がこの分類にあたります。自然にたくさんあるいい香りのする果物などを加工して、いい香りのする成分だけを取り出してくるのです。

さらに、天然香料の中でも植物からとってきたものと動物からとってきたものがあるので、

  • 植物性香料:レモン、ローズ、ジャスミンなど
  • 動物性香料:ムスク(ジャコウ鹿)、アンバーグリス(マッコウクジラ)など

の2種類に分けられます。

笑う人
笑う人

天然に存在するいい香りのものってとってもたくさんあるよね!

だから香料もたくさんつくれるんでしょう?

そうですね、果物、花、葉っぱ……いい香りのするものはたくさんあります。しかし、天然香料というものは、実はとっても貴重な香料なのです。どれくらい貴重かというと、原料の用意やコストのことを考えて日本ではほとんどつくられず、輸入に頼るくらい貴重なのです……。

天然香料をつくるには、天然に存在するいい香りの果物などからいい香りのする成分だけを抽出してこなければなりません。あとで紹介する方法などで抽出していくわけなのですが、香料1滴をつくるためにそれはそれはたくさんのいい香りのものが必要になってくるのです。

分かりやすいように、超高級な天然香料・ブルガリアンローズというバラからつくられた香料を例に紹介します。

ブルガリアンローズは、ブルガリアのカザンラクという土地で栽培されているバラです。カザンラクの土地や気象条件が、良いブルガリアンローズを育てるのに適しているのですね。日本から遠く離れたブルガリアの地で育てられたこの薔薇から香料1リットルをつくるとき、必要になるブルガリアンローズの花びらの量は……

なんと3トン!!軽自動車なら3台、普通自動車なら2台ほどの重さの花びらが必要なのです。びっくり!

ブルガリアンローズの香料
ブルガリアンローズの香料

合成香料

2つ目は合成香料です。化学的に合成された香料のことですね。

自然界にたくさん存在する物質を分解したり別の物質と反応させたりしてつくる香料で、天然香料よりも安価たくさんつくることができます

こちらも詳しく紹介すれば奥の深い話になるのですが、今回はこのくらいにとどめておきます……。

調合香料

3つめは調合香料です。いくつかの香料を調合してつくられた香料のことですね。

いくつかの天然香料と合成香料とをまぜあわせ香りをつくったものになります。

食品においしさをプラスするフレーバー、化粧品などにいい香りをつけるフレグランスがこの調合香料にあたります。

香料の分類
香料の分類

この3種類に分けた香料のつくり方について、すべて説明するととんでもない長さになってしまうので、今回の記事では、天然香料の作り方についてだけ紹介していきます。

果物の皮を搾る!「圧搾法」

まず1つ目の方法は圧搾法です。果物の皮をしぼっていい香りの成分を取り出す方法のことですね。

なので、いい香りのする果物から香料を作るときはこの方法がつかわれます。レモンオレンジといった柑橘類の果物から香料をつくるときなどですね。

圧搾法
圧搾法

水蒸気で抽出!「水蒸気蒸留法」

2つ目の方法は水蒸気蒸留法です。水蒸気で花などを蒸留して、いい香りの成分を取り出す方法のことですね。

そうです、小中学校の理科で習った蒸留です。下の絵を見ればなんとなく思い出してもらえるかと思います。

しかし、この方法には弱点があるのです……。水蒸気をつかって蒸留をするので、もちろんいい香りの成分は100℃以上の高温にさらされます。……いい香りの成分、壊れちゃいそうですよね。
なので、この方法がつかえるのは熱に強い成分だけになってしまうのです。

ローズシナモンなどはこの方法をつかって香料に加工されます。さっき出てきたブルガリアンローズもこの方法がつかわれます。

水蒸気蒸留法
水蒸気蒸留法

アルコールに漬けて抽出!「溶剤抽出法」

3つ目は溶剤抽出法です。有機溶媒でいい香りの成分を抽出する方法ですね。

有機溶媒、つまり油のなかに花や果物の皮などを漬けていい香りの成分を抽出していきます。そして、抽出につかった油を揮発させて量を減らし香料としてつかえるようにするのです。

なんと、この方法ではいい香りの成分が高温にさらされないので熱に弱い成分でも抽出することができるのです!一方で、手間がかかってしまうのでこの方法でつくられた香料は高価になるという弱点があります……。

ジャスミンガルバナムなどはこの方法をつかって香料に加工されます。

溶媒抽出法
溶媒抽出法

まとめ

  • 香料はどうやってつくられているかによって天然香料合成香料調合香料の3つに分けられます。
  • 天然香料は天然に存在する植物などから直接とってきた香料のことで、その由来から植物性香料・動物性香料の2つに分けることができます。香料を作るためにとても多くの植物などが必要になるので、日本ではほとんどつくられていない貴重な香料なのです。
  • 合成香料は化学的に合成された香料のことで、調合香料は天然香料と合成香料をまぜあわせてつくられた香料のことです。
  • 天然香料をつくる1つ目の方法は圧搾法で、柑橘類などの果物の皮をしぼっていい香りの成分を抽出する方法です。
  • 2つ目の方法は水蒸気蒸留法で、水蒸気で花や果物を蒸留していい香りの成分を抽出する方法です。ローズシナモンなどの成分を抽出するときにつかいます。高温の水蒸気をつかうので熱に強い成分しか使えないのが弱点です。
  • 3つ目の方法は溶剤抽出法で、油に花や果物を付けて成分を抽出したあと油を揮発させて量を減らし香料とする方法です。ジャスミンガルバナムなどの成分を抽出するときにつかいます。熱に弱い成分でもつかえますが、手間がかかるので香料が高価になるのが弱点です。
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