薬剤師国家試験とは!現役薬剤師が解説

薬剤師国家試験とは!現役薬剤師が解説薬剤師
薬剤師

薬剤師になるための試験、薬剤師国家試験

薬局で働いている薬剤師がみな合格している試験、薬剤師国家試験。しかし、いまいち知名度は高くない……そんな印象の試験。

そんな薬剤師国家試験はどのような試験なのでしょうか?そして、いつごろに実施されて合格率はどれくらいなのでしょうか?

  • 薬剤師国家試験ってどんな試験なの?
  • いつごろに何処で実施されるの?
  • どんなことが問題として出されるの?
  • 合格率ってどれくらいなの?
モーリー
モーリー

薬剤師国家試験について解説していきます!

薬剤師になるための最終試練「薬剤師国家試験」

 どんな試験なの?

薬剤師国家試験は、薬剤師になるための国家試験のことです。詳しく言うと薬学部の卒業生が、薬剤師としてはたらくうえで必要な知識を持っているか確認するため、年に1回だけ行われる試験になります。

そう、この試験は誰でも受けれるわけではないのです。少しの例外はあるものの、基本的に6年制の薬学部を卒業した、または卒業見込みの学生しか受けることができないのです。そんな学生たちを、とっても賢い先生方がつくり厚生労働省がチョイスした345問の問題をつかって、薬剤師となるにふさわしいかテストします。

そして、この試験に合格した人が薬剤師になれる資格を手にするのです。

 いつごろに試験があるの?

薬剤師国家試験は2月下旬の土曜・日曜日に実施されます。詳細な日程は8月の下旬に発表されます。

大体、薬学部の卒業試験が終わって1ヵ月と少しが経ったタイミングで国家試験はやってくるのです。

 試験会場はどこ?

試験会場は、自分の通っている大学ではありません。厚生労働省によって決められた会場で試験を受けることになります。

2022年、107回 薬剤師国家試験の会場は、

第107回薬剤師国家試験会場
第107回 薬剤師国家試験会場
受験生
受験生

……少なくない?

はい……。さらに、受験会場について自分で決められるのは都道府県まで

例えば、会場の希望を東京都にして出願したとき、9つの会場からランダムに決まるわけです。
そして、自分が試験を受ける会場がわかるのは12月下旬ごろ、受験票が手元に届くタイミングになります。

受験生
受験生

……遅くない?

……はい……。

なので、あえて会場が1つしかない都道府県を希望し、会場に近いホテルを予約する人もたくさんいます。しかし、会場近くのホテルの予約は一瞬で埋まってしまうため、宿泊する予定の人はなるべく早く予約を取ってしまわないといけません。

どんなことが聞かれるの?

青本
青本

VS国家試験用の参考書、青本の種類通りこの9科目からありとあらゆることが聞かれます。

  • 物理
    基礎知識その1。説明すら難しい。
  • 化学
    基礎知識その2。有機化学とかいろいろ。
  • 生物
    基礎知識その3。からだの仕組みとかいろいろ。
  • 衛生
    栄養とか毒とかってどんなものがあるの?
  • 薬理
    どんな薬があるの?どんな仕組みで効いているの?
  • 薬剤
    薬にはどんなテクノロジーが使われているの?
  • 病態・薬物治療
    どんな病気があるの?どんな薬をつかうの?
  • 法規・制度・倫理
    どんなことをしていいの?どんなことはしたらダメなの?
  • 実務
    いままで学んだ知識は現場でどうやって使われているの?

うーーん。多い!

どんな感じで問題が出るの?

 必須問題

試験1日目の午前中に解く問題です。全90問で、上の9科目の基本的な知識を五肢択一で問われます。

受験生
受験生

基本的なことだけなの?じゃあ稼ぎどころじゃーん!

そうです、ここは薬剤師国家試験の中でも簡単に点数が稼げる範囲になります。正解しまくってどんどん点数を伸ばしていきましょう。

しかしこの必須問題、1つ恐ろしいトラップが仕込まれています……。通称、足きりと言われるもので、

  • 全問題の正答率が70%以上
  • 各科目の正答率が30%以上

この2つの基準を満たしていなければ、今後どれだけ点数をとっても不合格になってしまいます。90問の70%である63問を正解するために、多くの知識が必要で、1科目ごとに30%以上の問題を正解するために偏りない知識も必要になります。

 理論問題

試験1日目の午後に解く問題です。全105問で、論理的な思考が必要になってくる考えさせる問題ばかりで、五肢択一だけではなく、五肢択二の問題も出てきます。

正直、ここが一番難しいと思います……。

 実践問題

試験2日目の全部を使って解く問題です。全150問で、実際の現場などで起こりうる問題にどう対応するのかを聞いてきます。もちろん五肢択二の問題も出てきます。

そして、恐ろしい問題も存在します。通称、禁忌肢と呼ばれる問題で、

  • 環境に良くないからダメ!
  • 人としてダメ!
  • そんなことしたら患者さんが危ない!
  • 法律違反!

のような選択肢のことで、これを3つ以上選んでしまうと……即アウト!どれだけ点数が高くても不合格になってしまうのです。

しかもこの禁忌肢、過去問においてもどの問題が禁忌肢か明かされていないため、どんなものが該当するのかいまだ謎に包まれているのです。そのため、受験生の多くは自己採点で「受かった!」という実感があっても。合格発表まで安心することができないのです……。

合格基準はどのくらい?

いままでは、345問の65%、225問以上の正答で合格となっていました。試験の難易度などに関係なく、決まった基準で合否が決まる絶対基準評価でした。

しかし、現在の合格基準は少し変わっています。試験の難易度などによって合格点が変わる相対基準評価になったのです。

薬剤師国家試験の合格点
薬剤師国家試験の合格点

見てわかる通り、絶対基準のころより合格点が低くなっていますね。試験が難しくなっているのか、それとも……。

合格点以上の得点を取ることと、

  • 必須問題の足きりにかかっていない
  • 禁忌肢の選択が2つ以下

を満たすことで合格となります。

合格率とかってどれくらいなの?

ここ数年の薬剤師国家試験の合格率はおよそ70%ほど。

受験生
受験生

うーん、可もなく不可もなく。

そうですね。何とも言えない数字かと思ってしまいます。しかし、この合格率はすべての受験者に対しての合格率になります。

なので、ここから新卒生と既卒性とに合格率を分けてみると、

  • 新卒生の合格率:85%ほど
  • 既卒生の合格率:40%ほど

こうなります。そう考えると、新卒の時にきっちり決めたくなりますよね。

受験生
受験生

まあ、なんやかんやで何とかなるんじゃないの?

そんな気になってきますよね。では、最近の合格率を見ていきましょうか。

薬剤師国家試験の合格率(全体)
薬剤師国家試験の合格率

悲しいことに、少しずつ合格率は下がってきているのです。そう、合格率だけ見れば年々薬剤師になるのは難しくなってきているのです……。

国家試験に落ちてしまった人は薬剤師になることができません。つまり、来年もう一度試験を受けないといけなくなるのです……。

お金、時間、体力…などなど。失うものが大きいのでみんな死に物狂いで勉強するのです……。

筆者のひとこと

筆者も本当に苦しんだ薬剤師国家試験。記事を書いているだけであばらが痛くなってきました……。正直なところ点数についてはそこまで心配していなかったのですが、足切りや禁忌肢に引っ掛からないかを何よりも恐れていました。あとは当日の寝坊や体調不良。

試験前日はストレスがかかりすぎてほとんど眠れずに会場に向かったのを覚えています。しかし緊張感がすごすぎて試験中は眠気なんて一切感じず、我ながらいい手ごたえを得て1日目を終えることが出来ました。そして帰宅後の自己採点でとてもいい点を取れていて、テンションが上がりすぎて眠れなくなり……ほぼ2徹で試験2日目へ。2日目も緊張感から最後まで無事突破できましたが、よく最後まで保ったなーなんて振り返ると思ったりします。

長々と話しましたが、結論:二度とごめん!

まとめ

  • 薬剤師国家試験は、薬剤師になるための国家試験。薬学部の卒業生たちが薬剤師となるにふさわしいのかをチェックする試験です。
  • そんな試験はおよそ2月下旬の土曜・日曜日に、国が定めた会場にて実施されます。
  • 試験科目は大きく分けて9つ。物理化学生物衛生薬理薬剤病態・薬物治療法規・制度・倫理実務です。その中からまんべんなく出題され、知識を試されます。
  • 試験の形式は大きく分けて3つ。必須問題理論問題実践問題です。全体の正答率と必須問題を足きり・禁忌肢を意識して問題を解いていきます。
  • 合格基準は毎年変わり、現在は決められた点数以上の得点必須の足きりにかからない禁忌肢の選択が2つ以下となっています。
  • 現在の国家試験の合格率はおよそ70%ほど。年々合格率が落ちてきており、薬剤師になるのが難しくなってきているといえなくもありません。
タイトルとURLをコピーしました