マイクロカプセルとは!香りを制御するシステムを解説

マイクロカプセルとは!香りを制御するシステムを解説香料
香料

香り長持ち!」「好きな時に香らせる。」

そんなキャッチフレーズの商品に使われているマイクロカプセル。実際に使って効果を実感した人も多いのではないでしょうか?

とはいったものの、マイクロカプセル……。小さいカプセルというのは分かるけど、それ以外の具体的なイメージは湧きにくいですよね。

  • どれくらいの大きさ?
  • どんな構造?
  • どんな仕組みで香りを制御しているの?
  • どんなものに使われているの?
モーリー
モーリー

マイクロカプセルについて解説していきます!

マイクロカプセルとは!

マイクロカプセルとは、数マイクロメートルの大きさで、色々なものを閉じ込めることができるカプセルです。ちなみに、カプセルの語源は、ラテン語のcapsula (物を入れる小箱)だそうです。分かりやすくていいですね。

そんなマイクロカプセルは、柔軟剤の香り成分から医薬品の成分まで、実は幅広く使われています。今回は、香り成分を閉じ込めたマイクロカプセルについて紹介していきますね!

 マイクロカプセルの大きさ

数マイクロメートルとは言ったものの、マイクロメートルって一体どれくらいの大きさなのでしょうか?具体的なマイクロサイズのものを挙げると、

  • 100マイクロメートル = 紙の厚さ
  • 10マイクロメートル = 毛細血管の断面
  • 1マイクロメートル = 大腸菌
怒る人
怒る人

いまいち分からん!

確かに……大腸菌の大きさなんて言ってもピンと来ないですね。1000匹の大腸菌が並んだ長さが1ミリメートルというと少し分かりやすいでしょうか?マイクロカプセルとは、そんな大腸菌数匹分の大きさのカプセルなのです。

そんなとっても小さいカプセルが香り成分を閉じ込めて、手でこするなどの刺激によって香りを放つなんてすごいテクノロジーだと思いませんか?

 マイクロカプセルの構造

マイクロカプセルの構造は、香り成分の溶けた液体をゼラチンの膜で閉じ込めたものです。言葉の通りカプセルの一種なのですが、薬などに使われる普通のカプセルとは少し違う構造のカプセルなのです。一般的なカプセルとマイクロカプセルとを比べてみると、

カプセルごとの特徴
カプセルごとの特徴

こんな感じで一般的なカプセルと色々と違いますよね。共通点といえば、ゼラチンからつくられているものがあることくらい。構造が違うということは性質も違うわけでマイクロカプセルを使うと、

・香り成分を閉じ込める
  → 香りを長持ちさせる
  → 手でこすって好きなタイミングで香らせる

こんなことが可能になるのです。そんな素晴らしい性質をお持ちのマイクロカプセルですが、一体どのようにしてそんな性質を示しているのでしょうか?

香りを制御するシステム

 香りを長持ちさせるシステム

まずは、香りを長持ちさせるシステムについて見ていきましょう。このシステムは、カプセルが香り成分の揮発をコントロールすることで実現されています。これは、香り成分の性質を見るととても分かりやすいと思うので簡単に見ていきましょう。

香りというものは、鼻が「香りがある!」と判断する化学分子がいくつか組み合わさって作られています。この化学分子たちは、ヒトの鼻という高い位置にまで上ってこれるくらい軽いのです。言い換えるなら、高い揮発性を持っています。
この高い揮発性のせいで香り成分たちはすぐに大気中に散ってしまい、いい香りは長続きしにくいのです。

そこで登場するのがマイクロカプセルです。そんな香り成分たちをカプセルの中に閉じ込めることで揮発を防ぎます

考える人
考える人

じゃあ完全に香りがしなくなるんじゃないの?

確かに、マイクロカプセルが香り成分の外出を許さないほどの束縛をするなら香り成分はマイクロカプセルの中で香りを放つことなく一生を終えることでしょう……。しかし、マイクロカプセルは簡単に壊れるほどもろく、少しの刺激で壊れて香り成分を放出するのです。

柔軟剤を例に考えてみましょう。マイクロカプセル配合の柔軟剤をつかって洗濯をすると、服にマイクロカプセルが付きます。服に付いたマイクロカプセルがどれくらいの刺激で壊れるのでしょうか?答えは、日常生活で起こるほどの摩擦です。

  • 身体と服の摩擦
  • 関節を曲げたときに起こる服同士の摩擦
  • 物とあたったときの摩擦

こんな軽い摩擦でマイクロカプセルは壊れて香り成分が放たれます。なので、マイクロカプセルが存在する限り日常生活を送るだけでもずっと香りが放たれ、いい香りが長持ちするのです。

 手でこすって香りを放つシステム

次は、手でこすって香りを放つシステムについて見ていきましょう。とはいっても、このシステムも先ほどと同じ原理が使われているシステムです。

違うのが破壊されるマイクロカプセルの量、すなわち放出される香り成分の量です。手でこするという強い刺激を与えることでより多くのカプセルを破壊し、強い香りを放てるというわけなのです。

マイクロカプセルが使われている商品

香りを制御できるマイクロカプセル。実はとても多くの身近なものに使われています。一番馴染み深いものは柔軟剤です。フローラルやシトラスなど色々な香り成分がマイクロカプセルに閉じ込められていて、これらが洗濯後の服をよりいい香りにしています。

ティッシュトイレットペーパーなどにも使われていて、鼻をかむときなどの摩擦で香りが放出されます。さらにインクなんかにも使われています。指でこするといい香りのするペンなど子供のころに使った方もいるのではないでしょうか?

筆者のひとこと

めっちゃスゴイ技術ですよね、ここまで来たか香りの世界。筆者が初めてマイクロカプセルについて学んだのは製剤学、薬に使われているテクノロジーを学ぶ講義でした。そこではマイクロカプセルは注射剤に使われていて、薬の有効成分をとっても長い間放出し続けるために使われていました。

薬の業界でも革新的な技術のマイクロカプセル、それが一見関わりの無さそうな香りの業界で使われているのはスゴイ。筆者もマイクロカプセル配合の柔軟剤を使ってみたのですが、服を手でこすったらめっちゃいい香り!と効果を実感できました。

しかしこのマイクロカプセル、使い方を誤ってしまうと香りが強くなりすぎて周りの方に不快な思いをさせてしまうというデメリットもあります。特に、香りというものは同じものを嗅ぎ続けると鼻がマヒしてしまって匂いが分からなくなってしまい、必要以上に香りをつけてしまいがちです。自分で匂いが分からないときは他の人に忌憚ない意見を求めるのがいいですよ。

まとめ

  • マイクロカプセルは、数マイクロメートルのカプセルのことです。香り成分から医薬品まで色々なものを閉じ込めることができ、様々なジャンルで使われています。
  • マイクロカプセルの大きさを例えると、大腸菌数匹分の大きさです。ちなみに大腸菌が1000匹並ぶと、およそ1ミリメートルになります。
  • マイクロカプセルの構造は、香り成分の溶けた液体をゼラチンの膜で閉じ込めたものです。カプセルとは言えど、薬などにつかわれているカプセルとはほど遠い構造になります。
  • 香りを制御するシステムは、大きく分けて香りを長持ちさせるシステム手でこすって香りを放つシステムの2つがあります。
  • 香りを長持ちさせるシステムは、カプセルが香り成分の揮発をコントロールすることで実現しています。柔軟剤に配合されているマイクロカプセルは日常生活で発生するレベルの摩擦で壊れて香り成分を放つので、マイクロカプセルが存在する限りいい香りが放たれ続けます。
  • 手でこすって香りを放つシステムは、刺激でカプセルが壊れて香り成分が放出されることで実現しています。手でこするという強い刺激を与えることでたくさんのマイクロカプセルを破壊し、強い香りを放つことができます。
  • 香り成分を閉じ込めたマイクロカプセルは、柔軟剤にはじまりティッシュトイレットペーパーインクなどの色々な身近なものに使われています。
タイトルとURLをコピーしました